A heady tale

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勉強法 その2

最終回です。
ストックした知識とは何か、という話です。

3. 視点を記憶する
条文と、その趣旨と、定義と、判例のうち、およそ司法試験受験生として
当然知っておくべきレベルのものは、当然に暗記すべきです。精確に、愚直に。
しかし、司法試験に合格するために必要な知識とはこれだけではないと思います。

僕は、「知識」が重要だ、と言うとき、ある論点が出たときに、こういうことに気をつけて
論述すべき、という「視点」もまた、必要な知識に含まれると思っていました。

例えば、行政法で、原告適格の問題が出たとき、

・処分の名宛て人以外の者の原告適格の判断における条文に則したフロー
①原告適格を有するのは「法律上の利益を有する者」9条①
②法律上の利益を有するかどうかは、9条②の視点にしたがって検討する。
↓そのフローは
③被侵害利益の考慮、確定
④処分の根拠法規の確定
⑤法令の趣旨目的の解釈
⑥関係法令の確定
⑦関係法令の趣旨目的の参酌
                   (まとめノートより抜粋)

という「視点」を持っていないと、9条について正しく条文解釈できないし、
あてはめをすることもできません。
例えば⑥の視点を持っていないと、問題文に「通達」が載っていたら、
それをなんの検討もなく関係法令として使うなどといったミスをする羽目になります。

また、判例を勉強するときにも、「この判例がこういう判断をしたのは、
この事実を重視したからだ」という視点を持っていれば、判例の事案と違う問題が出たときに、
なぜ判例の結論と違った結論を自分がとるのかを説明することができるようになります。

このような視点は、問題演習をすることや、調査官解説を読んだりすることによって蓄積していきます。

問題演習→あー論点落とした→なんで落としたんだ?→この視点を知らなかったからだ

ということを繰り返すということです。
論述したことが不十分だった場合も同様です。
不十分だったのはどのような視点が欠けていたからなのかを逐一チェックして、
ストックしていくことになります。


4. 応用への展開
このように視点をストックしていくことを意識的にやっていると、
より抽象化された視点に気付くことがあります。
そして抽象化された視点は、未知の問題に対応するための視点となります。

例えば、刑訴で、判例によれば、荷物のエックス線検査は検証です。
しかし、もし、禁制品を差し押さえる目的でエックス線検査を行い、禁制品を
みつけて差し押さえた場合は、エックス線検査は「捜索」になります。
これがこの論点を考える上での具体的な「視点」です。

ここで、この視点を敷衍すると、「ある捜査手法が問題となるとき、一見Aという捜査手法の
ように思えるが、実は性質をよく考えてみるとBという捜査手法である、という場合がある」
という抽象化された視点を得ることができます。
このように抽象化された視点があれば、全然知らない問題が出たときも、
視点に留意することで、問題点に気付くことができるようになります。

このようにして、未知の問題に対応できるような視点を持っていれば、
出題趣旨に気付かずに論述するという失敗を避けることができます。

そして実は、このような視点こそ、「法律を理解する」というところに直結しているのでは
ないかと思います。

このように考えて、僕は、問題演習をしながらひたすら「視点」をストックしていきました。
こういうことは、別に意識しないで出来る人もたくさんいると思います。
でも一方で、意識してないがために漫然と「視点」を欠いた知識をストックしてしまって、
本当は未知の問題なのに自分の知識に無理矢理引きつけてしまったり、そもそも問題点に
気づけないという人もいると思います。
というか、僕がそうでした。

結果として、この「視点」をストックしていくという方法は、僕の足りない部分を決定的に補いました。
このように、敗因分析から、自分に必要なものをちゃんと見極めることができれば、
もう受かったも同然だと思います。

あとは、直前期のプレッシャーと不安にどれだけ立ち向かえるかです。
それは、自分自身が強くなる機会だと思って、周りの人に支えてもらいながら、頑張る
しかないです。

来年受験する、友人たち、この記事を読んでくれているひとたちの合格を
心から祈ります。

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勉強法

恥ずかしながら、勉強法について少々思うところを書いてみます。

論文1300位の勉強法なんて聞いてもしょうがないとは思うのですが、
ある種類の人には、有益な情報を提供できることもあるのではないかと思いまして、
書くことにしました。
平凡な能力の受験生が、2回目で何とか受かるために考えたことを書きたいと
思います。

1.敗因分析
まずは敗因分析をしました。敗因分析では、足りなかったものを絶対に読み違えない
ように注意しました。ここで、足りないものがあるのにそれを軽視したり、
気付かなかったりしたら、8か月間あさってな方向をむいて勉強するハメに
なるからです。

そのためには、まず、合格答案を書くための要素とは何かを考えました。

答案を書くプロセスは、

問題を読み、問題を発見し、書くべき問題について(何を書いたか)
作法に従って(どう書いたか―形式)
適切に(どう書いたか―実質)
時間内に書く(全部書いたか)

に分けることができます。
そしてこれらを実行するために必要な要素を考えると、

問題分析能力:事実の中から法的問題を発見できるか。知識量と密接にリンク。(何を書いたか)
論理力:三段論法ができなからったおしまい。(どう書いたか―形式)
知識の量と質:問題を適切に処理できるか。司法試験はその場で考える力が試されると言うが、
         知識量が乏しければそもそもその場で考えるところまで至らない。
         構成の早さ、問題分析とも密接にリンク。(どう書いたか―実質)
時間配分:読む早さ、書く早さ、構成の早さ、どの程度構成が固まっていれば
       書き始められるか、処理手順のパターン化、適切に省略する能力(全部書いたか)

ということが挙げられます。
この中の、なにがボトルネックとなって、合格答案が書けないのかを考えます。

さて、僕の場合、考えられた敗因は、
①そもそも勉強不足、演習不足で、知識量が足りないので、問題を見つけられない。
②知識がなく、考えるのが遅いので構成に時間がかかり、必要十分な枚数が
 書けない。

ということでした。
結局、知識が全然足りないということが、「何を書いたか」「どう書いたか(実質)」
「全部書いたか」の全てに影響していると分析しました。

問題分析をするにあたっては、このように、要素間の関係を意識して、強化ポイントを
発見するといいと思います。
枚数が書けない→書くのを早くしよう!
だけではなく、
枚数が書けない→知識が足りてないからではないか?
ということです。


2.解決方法
そこで、解決方法として、まとめノートを作成することにしました。
まとめノートは、masoブロさんが公開していたノートをベースにして、自分で適宜
付け加えたり修正したりしました。
科目によっては、5倍くらいの長さになってしまったものもあります。
ただ、民法は作りませんでした。masoブロさんでも民法はなかったのと、
一から自分でつくるのはコストパフォーマンスが悪いと思ったからです。
まあ、そのせいもあって沈みましたが・・・

ノートを作る際、僕の貧弱な記憶力を考慮すると、あまり手を広げるのはまずいので、
アドバンスな部分は積極的に捨てました。

このようにして、知識を定着させたことで、思考をショートカットできる場合が多くなり、
構成も早くなり、書く分量も増えました。

解決方法を考える上で気をつけたのは、自分の性格や資質に照らして無理のない
解決方法を考えるということです。

例えば、知識が増えたとしても、僕は瞬発力のある地頭を持っていないので、
あまり考えたことのない問題や、全く未知の問題がでたときにはやはり構成に時間が
かかってしまいます。

僕はこの問題を解決するにあたっては、最悪1時間構成に使って、残り1時間4枚で
最低限問いに向き合った答案を書こうと思っていました。
僕は全体を把握して、自分の頭の中ですとんと論理が繋がった状態にならないと、
本当にぐっちゃぐちゃの答案しか書けないからです。

だから、自分の資質と相談して、無理に答案構成を30分で切り上げて見切り発車
したりせずに、ちゃんと問題を理解して、矛盾のない4枚の答案を書く方を選びました。

ただ、問題点の把握が間違ってなければ、ヘンテコな処理、不十分な処理をしていても、
合格答案になりうるという確認はちゃんとしました。合格答案集などの確認ですね。
このへんの裏付けをとっておくのは必要です。いくら資質に合っているといっても、
常に沈む答案を書いてしまうような戦略は採るわけにはいけないからです。

結果として、敗因分析と、知識を増やし、定着させていくという解決方法を採る戦略は、
成功したと思います。去年思いっきり跳ねた租税法以外、全ての科目で点数が
アップしたからです。

このように、敗因分析がちゃんとできたからこそ、平凡な能力の受験生である僕でも
合格できました。
とにかくこの時期は、慎重に敗因分析すべきだと思います。

さて、あと、増やした「知識」って何?ということを書こうと思ったのですが、
長くなりすぎたので別記事にします。1つの記事にするって言ったのにね。
このへんの見通しの甘さも僕の残念な資質ですね・・・

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答案に必要なもの

思いついたのでメモ。

司法試験の採点においては、以下の4つの要素に配点の90%がある、
と思う。

①事案分析できているか
②思考プロセスが示されているか
③三段論法で書けているか
④記述の分量のバランスはよいか

「長い事実から」「法的問題点を発見させ」「問題を解決させる」
という出題の方針から考えれば、当然ではあるが。

超上位答案で、しばしば②が示されてなく、③が崩されている場合があるが、
これは①と④が圧倒的にできているため、②③は書かずとも推認される、という
ことなのだと思う。あれほど難しい問題を2時間で解いて、①④が圧倒的にできていれば、
②③ができないわけはないのだ。
逆に言えば、②③を示さなくても許されるのは、圧倒的に論点を当てまくった
場合に限るということだ。
したがって、凡庸な受験生としては、②③は徹底すべきである。

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不合格者の誤謬

不合格者の誤謬に対して自覚的でなければならない。

不合格者の誤謬とは、要は、自分が不合格であった理由の推論を誤って次の戦略を
立ててしまうことだ。

たとえば、自分の場合、知識が足りなかったのは明らかだった。
こういう場合、「知識が足りなかった」という事実に自覚的であるあまり、
不合格だった理由を知識が足りなかったこと「のみ」に求めてしまいがちである。

しかし、知識が足りなかったことは、不合格の一要素に過ぎない。
しかも、もしかしたら、一要素の中でも、あまり重要でない要素なのかも知れない。
知識が足りなかったという事実は、知識「も」足りなかったということに過ぎないのだ。

合格者が持つ要素を正確に分析・推論し、その中で自分に何が足りないのか、その中で
最も重要なもの、クリティカルなものを見つけることができなければ、何回受けても
受からない。

司法試験は、適切な勉強方法で、「かつ」大量に勉強しなければ受からない試験だ。
もちろんその人の持っているセンスによって、「雰囲気で」受かることはある。
しかし、自分には、そんなものはないことが明らかになった。
それに、2回目の試験でそういうことをあてにするわけにもいかない。
科学的で、身も蓋もない努力をするしかないのだ。

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論証論

論証について、長々と書いたのにぶっ飛んでしまった。
もう一度再現する気力はないので、エッセンスを(それでも長いけど)。

・基本的な論証を記憶するのは必要。それは「定義」を覚えるのと同じ。
・しかし、そこに、「コピペ精神」がわずかでも入り込んではいけない。
・論証は、常に、趣旨や本質に還元されつつ作られなければならない。
・なぜなら、本試験では覚えた論証をそのまま使える場面は(科目によるが)極めて
限られるからである。
・コピペ精神を排除しつつ論証を覚えないと、論証を覚えることの弊害(思考停止)のほうが
大きいのではないか。

※「コピペ精神」とは、表現の自由が問題になるときはいつも同じ表現の自由の論証を
 書いちゃうような、アレのことである。

一例を挙げると、
「外国人に指紋押捺を強制されない自由はあるか」
という論点がある。
これを判示した判例が、試験ででる可能性は限りなくゼロである。
すでに外国人は指紋押捺を強制されてないからだ。
最判は、外国人は指紋押捺を強制されない自由を有する、と判示したが、この結論と
理由を論証化して記憶しても、それが発揮される場面はないだろう。
仮にこれを論証化するなら、そもそもなぜ外国人は権利が制限されうるのか、
制限できるとしたらどんな権利か、それはなぜか、それらとの関係で、指紋押捺の強制
というのはどういう位置づけなのか、そういうことにしつこいくらいに引きつけて論証化し
なくてはならない。そうじゃないと、「論点」をつぶせても、わかったことにはならないからだ。

これは、春休みに基本書を通読して、分かった気になっていた自分自身の反省が
もとになっている。論点は潰れていくが、つい論点を潰すことに必死になってしまうのだ。
汎用性のある形で、論点は潰さないといけない。
逆に言えば、そういうことを自覚して論証化するなら、論証化には意味がある。

言うまでもないが、この論証論はよんとおの論証論を批判するものではなく、
補足するものである。彼にとっては、当たり前すぎて書く必要もないことを、あえて書いた
だけかも知れないが。

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